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2011年9月13日 (火)

通勤電車で読んでる本52

20110912_02

コムバンワ。
今日は中秋の名月。お月様がキレイでした。
如何お過ごしですか?

最近どうも金が無いと思ったら、本にかなりの金を使っている事が判明した。

20110912_01「月の裏側」恩田 陸

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、不思議なことに、じきにひょっこり戻ってきたのだ、記憶を喪失したまま。まさか宇宙人による誘拐か、新興宗教による洗脳か、それとも?事件に興味を持った元大学教授・協一郎らは“人間もどき”の存在に気づく…。

この話を読んで、小学生の時にテレビで見た「ブロブ」って映画を思い出した。宇宙から隕石に乗ってやってきたアメーバ状の生き物が、人でも車でもなんでも飲み込んで巨大化していくっていうなんともわかりやすいB級ホラーだったと思う。

「ブロブ」と一緒に思い出したのが、「ゼイリブ」っていう映画。いつ観たか忘れたけど、不思議なサングラスを手に入れた男が、サングラスを通してみると街のみんなから政治家までが、人間のかっこした宇宙人だったっていう、これまたわかりやすいSF映画。

で、この「月の裏側」って話も、だんだん街のみんながさらわれては戻されて、違う物に入れ替わっていくっていう話。で、人をさらっていくのが水郷地帯を流れる水。

そもそも単なるSFでは無いのだが、象徴的な台詞を引用してみる。

「だが、一方で、我々は常にあれにつかまりたいという誘惑と戦っている。『ひとつ』になりたいという誘惑だ。宗教も、家族も、社会も、我々の『ひとつ』になりたいという誘惑が生み出した形式なのではないかと思うことがある。なぜなら、個々に自分の戦略を探るのは大変なストレスが伴うが、『ひとつ』になるのは楽だし何も考えずに済むからだ。だが、そこに生物としてのジレンマがある。『ひとつ』になってしまったのでは、多様性が生じない。山や海や川辺に兄弟が散らばって暮らしていれば、山が大噴火を起こしても、他の場所に住む兄弟は生き残るが、低地に兄弟が固まって暮らしていれば、洪水が起きた時にみんなが死んでしまう。『ひとつ』でいると、何かの弾みに根こそぎ駆逐されてしまうということが有り得るのだ。だから、我々はさらに複雑な戦略を生み出した。『ひとつ』になりたという誘惑と、個々におのれの戦略を模索したいという欲求の間で常に揺れているという戦略だ。」

集団と、その中の個人の在りかたの話しな訳だが、単なる出来そこないのホラーになってしまっているとこが惜しい。タイトルのようなステキな話なら良かったのにね。

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